親が最近よく転ぶとき、最初に見直したい家の中の3か所|日立市の訪問看護

「最近、親がよく転ぶようになった」

「今度は骨折してしまうのではないか」

離れて暮らすご家族が、実家へ帰ったときに初めて親御さんの変化に気づくことがあります。

親の転倒が増えたときは、まず次の3か所を確認してみてください。

- ベッドまわり
- 廊下と部屋の境目
- トイレ・浴室

ただし、転倒予防は「段差をなくす」「手すりを付ける」だけでは十分とは限りません。

同じ家でも、身長や筋力、病気、服用している薬、立ち上がり方などによって危険になる場所は異なります。

大切なのは、その方が実際にどのように起き上がり、どこを歩き、どの動作でふらついているのかを見ることです。

この記事では、ご家族でも確認しやすい3か所と、ご家族だけでは判断しにくいポイントを、訪問看護の視点からお伝えします。

親の転倒が増えたときに見直したい3か所

1.ベッドまわり

夜中にトイレへ行こうとして、ベッドから立ち上がったときにふらつくことがあります。

次の点を確認してみましょう。

- ベッドの高さが、ご本人の立ち上がりに合っているか
- 足元に荷物や衣類が置かれていないか
- 電気コードや敷物に足が引っかからないか
- 夜間でも足元が見える明るさがあるか
- メガネや杖など、必要なものを手の届く場所に置けているか

ベッドは、低ければ安全とは限りません。

低すぎることで膝や足腰に負担がかかり、立ち上がりにくくなる場合もあります。

どちら側から起き上がるのか、どちらの足から立つのか、立った直後にふらつかないか、何につかまって立っているのか。

ご本人が普段行っている動作を実際に見ることで、転倒につながりやすい場面が分かることがあります。

2.廊下と部屋の境目

数センチの段差や、めくれたカーペット、床に置かれた小さな物が転倒につながることがあります。

特に確認したいのは、次のような場所です。

- 廊下と居室の境目
- 敷居や小さな段差
- めくれやすいマット
- 延長コードが通っている場所
- 家具や荷物で通路が狭くなっている場所
- 昼と夜で明るさが大きく変わる場所

住み慣れた家では、そこに段差があることをご本人もご家族も当たり前に感じ、危険に気づきにくくなっていることがあります。

まずは、寝室からトイレまでなど、ご本人が毎日よく通る動線から確認してみましょう。

その際、「段差があるか」だけではなく、

- 壁や家具に手をつきながら歩いていないか
- 曲がるときにふらついていないか
- 足が上がりにくくなっていないか
- 昼間は歩けても夜間になると不安定になっていないか

といった変化を見ることも大切です。

3.トイレ・浴室

トイレや浴室では、

「立つ」

「座る」

「向きを変える」

「またぐ」

といった複数の動作が必要になります。

床が濡れて滑りやすい浴室では、さらに注意が必要です。

手すりが設置されていても、ご本人の動きに合っていなければ十分に使えないことがあります。

確認したいのは、手すりの有無だけではありません。

- 立ち上がるときにつかめる位置か
- 利き手や麻痺の状態に合っているか
- 浴槽をまたぐときに使えるか
- 手すりまで無理なく手が届くか
- つかんだときに姿勢が不安定にならないか

身長や筋力、関節の動き、立ち上がり方は一人ひとり異なります。

「ここに手すりがあれば安心だろう」とご家族だけで位置を決めるのではなく、実際にどの方向へ手を伸ばし、どのように立ち上がっているのかを確認することが大切です。

転倒は「不注意」だけで起こるものではありません

転倒が続くと、ご家族は、

「もっと気をつけて」

と伝えたくなるかもしれません。

しかし、転倒にはさまざまな要因が関係します。

- 足腰の筋力やバランスの変化
- 視力や感覚の変化
- 発熱、脱水、貧血などの体調変化
- 血圧の変動や立ちくらみ
- 脳や神経、関節などの病気
- 睡眠薬や血圧の薬など、服用している薬の影響
- 室内の段差、照明、動線

そのため、転倒を「注意不足」と決めつけるのではなく、身体や生活環境に何か変化が起きているサインかもしれないと考えることが大切です。

「いつ、どこで、何をしているときに、どのように転んだのか」も確認してみてください。

急に転ぶ回数が増えた、意識や話し方に変化がある、手足に力が入りにくい、頭を打ったなどの場合は、早めに医療機関へ相談してください。

「もう少し様子を見よう」という数日間に状態が変わることもあります

訪問看護ステーションまりあでも、訪問看護の利用に向けて調整を始めたものの、契約・訪問開始までの数日間に再び転倒し、骨折して入院となった方がいらっしゃいます。

もちろん、すべての転倒が骨折につながるわけではありません。

ただ、

「一度転んだだけだから」

「もう少し様子を見てから」

と思っている間にも、身体の状態が変化することがあります。

転倒が増えた、歩き方が変わった、立ち上がりが不安定になったなどの変化に気づいたときは、大きなけがをしてからではなく、変化に気づいた段階で原因や生活環境を一度確認することが大切です。

訪問看護を利用するかどうかが決まっていない段階でも相談できます。

手すりや段差解消に介護保険を使える場合があります

要支援・要介護認定を受けている方は、手すりの取り付けや段差の解消などに、介護保険の住宅改修費を利用できる場合があります。

介護保険の住宅改修は、原則として工事を始める前の申請が必要です。

先に工事をすると給付対象にならないことがあるため、工事業者へ依頼する前に担当のケアマネジャーや日立市介護保険課へ相談してください。

日立市でも、住宅改修について事前に相談するよう案内しています。

訪問看護では「生活の中の動き」を確認できます

病院や診察室では問題なく歩けていても、自宅に戻ると状況が異なることがあります。

自宅には、

- ベッドの高さ
- 家具の配置
- 廊下の幅
- 敷居や段差
- トイレの位置
- 浴槽の高さ
- 照明や夜間の明るさ

など、その家ならではの環境があります。

訪問看護ステーションまりあでは、ご本人が普段どのように起き上がり、立ち、歩き、トイレや浴室を使っているのかを、実際に生活している場所で確認します。

例えば、「手すりがないから転ぶ」と単純に考えるのではなく、

- 立ち上がった直後にふらついていないか
- どちら側の手で家具や壁につかまっているか
- 足が上がりにくくなっていないか
- 方向転換するときにバランスを崩していないか
- 昼間と夜間で歩き方に違いがないか

など、身体の状態と住環境の両方を見ていきます。

ご家族から見れば「最近ちょっと危なっかしい」という変化でも、普段の動きを確認することで、転倒につながる原因や対策を考える手がかりになることがあります。

そのうえで、ご本人が今できていることや続けたいこと、ご家族が気になっていることを伺いながら、必要に応じて主治医、ケアマネジャー、理学療法士などの専門職と情報を共有し、その方の暮らしに合った方法を一緒に考えます。

まりあが大切にしている転倒予防

転ばないために、できることを奪わない

転倒を心配するあまり、

「危ないから歩かないで」

「一人でトイレへ行かないで」

「お風呂はやめておこう」

と、ご本人が動く機会を減らしてしまうことがあります。

もちろん、安全を守ることは大切です。

一方で、動く機会が減ることで筋力が低下したり、ご本人が大切にしていた生活の楽しみまで小さくなったりすることもあります。

まりあが大切にしているのは、「危ないから動かない」という方法だけで転倒を防ぐことではありません。

- 自分でトイレへ行きたい
- 家の中を歩きたい
- お風呂に入りたい
- 庭へ出たい
- 近所へ出かけたい

その方が大切にしていることを教えていただき、今ある力を生かしながら、できるだけ安全に続けられる方法を一緒に考えます。

転倒予防は、暮らしを狭めるためのものではありません。

その人らしい毎日をできるだけ長く続けるために、身体と住環境を整えていくことだと、まりあでは考えています。

よくあるご質問

Q.まだ介護認定を受けていなくても相談できますか?

はい。

地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口へ相談できます。

訪問看護ステーションまりあでも、現在の状況を伺い、必要に応じてどこへ相談するとよいか一緒に整理します。

Q.手すりは家族の判断で取り付けてもよいですか?

手すりは、ご本人の身長、身体の状態、立ち上がり方、手を伸ばす方向などに合わせる必要があります。

また、介護保険による住宅改修を検討している場合は、原則として工事前の申請が必要です。

工事を始める前に、担当のケアマネジャーや日立市介護保険課へご相談ください。

Q.一度転んだだけでも相談した方がよいですか?

一度の転倒だけですぐに訪問看護が必要になるとは限りません。

ただし、

- 転倒した場所や原因が分からない
- 以前より歩き方が変わった
- 立ち上がりが不安定になった
- 転倒を繰り返している
- 急に転ぶ回数が増えた

といった場合は、早めに状態を確認することをおすすめします。

急な体調変化や服用している薬の影響などが隠れていることもあります。

日立市で親の転倒や在宅介護が気になっている方へ

「一度転んだだけなので、相談するほどなのか分からない」

「手すりを付ける前に、家のどこが危ないのか知りたい」

「最近、親の歩き方が変わった気がする」

「離れて暮らしているため、普段の様子が分からず心配」

「できることを大切にしながら、安全な暮らしを考えたい」

そのような段階でも大丈夫です。
訪問看護を利用すると決めていない段階でも、現在のご様子やご家族が気になっていることをお聞かせください。

必要な支援や相談先を一緒に整理します。


訪問看護ステーションまりあ

運営:株式会社W Coral
所在地:〒319-1415 茨城県日立市相田町1-4-1
電話:0294-77-0854
受付時間:8:30~17:00
対応地域:日立駅・小木津駅周辺を中心とした日立市内
公式サイト:https://houkan-maria.com/

執筆者:佐藤絢美
株式会社W Coral代表取締役/訪問看護ステーションまりあ 管理者・看護師

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