ひとりで介護を抱え込んでいませんか

家族だから、私が頑張らなきゃ。
弱音なんて吐いてはいけない。
みんな忙しいし、迷惑はかけられない。
そうやって、自分の気持ちを何度も飲み込んできた方は少なくありません。

ひとりで介護を抱え込んでいませんか

介護は、やることが本当に多いです。
食事の準備。
お薬の管理。
トイレやお風呂の介助。
夜中の体調の変化。
病院への付き添い。

そして、これから先どうなっていくんだろうという不安。
目の前のことを一つずつこなしているだけなのに、それが毎日続くと、心も体も少しずつ削られていきます。

気づけば、自分のごはんは簡単に済ませている。
ゆっくり眠る時間もない。
誰かに話したいのに、話す余裕さえ残っていない。
そんな状態になってから、
「私かなり無理していたんだ」と気づくことがあります。

介護が苦しくなるのは、介護力が足りないからではありません。
頑張りが足りないからでもありません。

もっと手前で、話せていないことが残っている場合があります。

本人は、本当はどう過ごしたいのか。
家族は、何を不安に感じているのか。
どこまで家でできるのか。
何が起きたら、誰に相談すればいいのか。
旅行や外出は、もう本当に無理なのか。
最期に、どんな時間を残したいのか。
介護している家族は、何を我慢しているのか。

こういう大切なことが言葉にならないまま、介護だけが先に進んでしまうことがあります。

ご家族は、大切に思っているから頑張ります。
でも、大切だからこそ言えないこともあります。
ご本人の前では、不安な顔を見せられない。
兄弟や親戚に話しても、温度差があってつらい。
私だけが大変みたいに思われたくなくて、平気なふりをしてしまう。

そうしているうちに、家族の中で本当に話したかったことが、どんどん後回しになります。

わたしは、ここが介護のいちばん苦しいところだと思っています。

介護そのものを頑張る前に、家族の中で大切なことを話す場がない。
ご本人の想いも、ご家族の本音も、医療の見通しも、誰かと一緒に整理する時間がない。

そこが置き去りになったまま頑張り続けると、ご家族はどんどん苦しくなります。

自分がやらなきゃ。
自分がしっかりしなきゃ。
そう思えば思うほど、介護は逃げ場のないものになっていきます。
本当は少し休みたい。
本当は誰かに相談したい。
本当は、これでいいのかなと一緒に考えてほしい。

そう思っているのに、言葉にできないまま踏ん張ってしまう。

でも、介護はひとりで抱えるものではありません。
訪問看護は、病気の方や医療処置が必要な方だけのものと思われがちです。
実際には、ご本人の体調を見るだけではなく、そばで支えているご家族の不安にも寄り添う役割があります。
これからどんな変化が起こるかもしれないのか。
家ではどこまでできそうなのか。
どんな時に連絡すればいいのか。
本人の希望を叶えるために、今から何を準備できるのか。
そういうことを、家族だけで抱えずに一緒に考えていくことができます。

介護をしていると、どうしても本人のことが一番になります。
痛くないかな。
苦しくないかな。
ちゃんと食べられているかな。
家で過ごさせてあげられるかな。
そう考えるのは、とても自然なことです。

でも、介護をしているあなた自身が少し眠れること。
不安な時に相談できる相手がいること。
これでよかったんだと思える瞬間があること。

それも、介護を続けていくうえで大事なことです。
疲れてしまうのは、愛情が足りないからではありません。
イライラしてしまう日があるのも、冷たいからではありません。
涙が出そうになるのも、弱いからではありません。
それだけ毎日、気を張ってきたということです。
大切な人のことを想って、ずっと頑張ってきたということです。

だから、介護をするあなたが倒れるまで頑張らないでほしいのです。

家で介護を続けたいけれど、医療面が不安。
退院後の生活が想像できない。
夜間や急な体調変化が怖い。
痛みや息苦しさが出た時、どうしたらいいかわからない。
食事や排泄、入浴の介助に不安がある。
本人の希望を叶えたいけれど、家族だけでは難しい。
旅行や外出を諦めるしかないのか迷っている。
これから先のことを、誰かと一緒に考えたい。
介護をしている自分が、もう限界に近いかもしれない。

そんな気持ちが少しでもあるなら、まだ大丈夫と思えているうちに話してください。
困りごとが大きくなってからではなく、少し不安を感じた時に話せる場所がある。
それだけで、心の重さは変わります。
大切な人を想う気持ちは、簡単に言葉にできません。
できることなら支えたい。
家で過ごさせてあげたい。
後悔したくない。
そう思うからこそ、無理をしてしまうことがあります。
ご本人にも、ご本人の想いがあります。
家にいたい。
穏やかに過ごしたい。
家族と一緒にいたい。
でも、迷惑はかけたくない。
ご家族にも、ご家族の想いがあります。
できることなら支えたい。
でも、ひとりでは不安。
何が正解なのかわからない。
後悔したくない。

どちらかだけが我慢するのではなく、どちらの気持ちも置き去りにしないこと。

そのために、早いうちから言葉にしておくこと。
本人の想い。
家族の本音。
医療の見通し。

この三つが少しずつ見えてくると、介護は耐えるものではなくなっていきます。
大切な人と、これからの時間をどう過ごしたいかを考える時間に変わっていきます。

何をどう相談したらいいのかわからない。
そんな時は、きれいに話そうとしなくて大丈夫です。
このままでいいのか不安です。
家で看られるのかわかりません。
夜が怖いです。
少し疲れてしまいました。
本人の希望を叶えたいけれど、どうしたらいいかわかりません。
そんな一言からで大丈夫です。
不安を言葉にすることは、介護を投げ出すことではありません。
大切な人との時間を、少しでも穏やかに過ごすための一歩です。

訪問看護ステーションまりあでは、病気だけを見るのではなく、その方の暮らし、ご家族の想い、医療の見通し、これから大切にしたい時間を一緒に考えています。

ひとりで介護をしなきゃと抱え込んでいるなら、一度話してください。
ご本人のために。
そして、支えているあなた自身のために。
家族だけで抱え込まなくてもいい形を、一緒に探していきます。

訪問看護ステーションまりあ
佐藤絢美

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