育児の時間をチームで支え合う
訪問看護ステーションまりあ管理者・看護師の佐藤絢美です。
今日は、チームまりあにとってとても大切な経験となった出来事を共有させてください。
初めての男性スタッフ育児休業取得
会社設立以来、初めて男性スタッフが育児休業を取得しました。
勤続2年目の男性看護師に第一子が誕生し、「妻と子どもとの時間を大切にしたい」と、自ら育休取得を申し出てくれました。
私は心から「今しかないこの時間を思い切り味わってほしい」と思いました。
けれど同時に、管理者としては、チームの体制をどう整えるか、少し不安な気持ちもありました。
私自身の育児経験から感じたこと
実は私自身、かつて出産・育児を経験し、長男が4歳になるまではほとんど一人育児でした。
夫の休みは月に1日あるかないか。実家も遠方で頼れる人もおらず、初めての育児のため知識もないから不安だらけ。
育児書を読みながら「これで合ってるのかな」と手探りで過ごした日々。
助産師さんに「眠れていますか?」「頼れる人はいますか?」と聞かれても、当時の私は自分の孤独にも気づかないほど、目の前のことで精一杯でした。
今思えば、息子と過ごす今しかない時間をもっとゆったり大切に過ごしたかった。
ひとりでがんばる育児を経験してきたからこそ、育休取得の申し出に「今しかない時間を大切にしてね。応援するよ」という気持ちが湧いたのです。
チーム全体で支え合った3ヶ月
育休が決まったとき、チーム全体で話し合いをしました。
訪問件数の調整、担当利用者様の引き継ぎ、オンコール体制の再構築など、課題はたくさんありました。
でも、パートスタッフの皆さんが本当に心強い存在でした。
「私たちの出番だね!」
「困ったときはお互いさま」
「赤ちゃんとの時間を大事にしてね!」
自然とそんな声があがり、シフトに多く入ってくれたり、スケジュール調整にも快く対応してくれたり。
スタッフ同士の支え合いが、本当に自然な形で現れた3ヶ月間でした。
育休を終えた彼の変化と感謝
育休を終えて復帰した彼の顔は、どこか柔らかく、穏やかで、凛々しく、パパの顔になっていました。
チームの仲間に「本当に、かけがえのない時間を過ごせました」と話してくれた彼の言葉には、心からの感謝がにじんでいました。
そして後日、奥様から、スタッフ全員に手作りのチャームと心のこもった手紙が届きました。
「この3ヶ月、家族で過ごせたことが本当に幸せでした」
そんな言葉に、スタッフ一同、胸が熱くなりました。
育休は「制度」ではなく「文化」
今回の経験を通して強く感じたのは、育児休業は制度があるだけでは成り立たないということ。
本当に大切なのは、それを支え合う気持ちと文化です。
訪問看護ステーションまりあは、まだまだ小さなチームですが、だからこそ一人ひとりの気持ちを大事にして柔軟に支え合える強さがあります。
24時間対応という厳しい側面もある訪問看護の現場で、「誰かの人生」を支える仕事をするには、まず「私たち自身が支え合えるチームであること」が何より大切だと、改めて感じました。
家族も仕事も大切にできる職場へ
育児はそれぞれ家族のものですが、チームで支えることで、もっと豊かに、もっと穏やかに過ごせると思います。
そして、訪問看護ステーションまりあで働くすべてのスタッフにとって、「まりあで働けてよかった」と思える職場を一緒につくっていきたいと思います。
家族の時間も、働く時間も、どちらも大切にできる。
そんな職場づくりを、私たちはこれからも歩み続けます。